キュービクルにPCBが含まれていたときの処分方法

キュービクルにPCBが含まれていたときの処分方法

目次

  1. PCBとは
  2. PCBを処理するためにはどうすればいい?
    1. 検査
    2. 届け出
    3. 適正保管
    4. 指定の施設での処分
  3. PCBの処分には補助金が出る
  4. まとめ

古いキュービクルには、変圧器やコンデンサの中にPCBという成分が含まれています。このPCBは人体にとって有害であるため、現在では国際的に使用が禁止されており、規定に従って処分をする必要があります。

では、現在使っているキュービクルにPCBが含まれているときにはどのように処分すれば良いのでしょうか。

PCBとは

PCBとは、Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人間やその他の生命体にとって極めて毒性が高い物質です。電気絶縁性が高く、このため高圧の電流を扱うキュービクルに使用されることが多い物質です。

しかし、1950年代ごろからこのPCBを原因とする事故が多発。特に1968年に発生したカネミ油症事件では、1万人を超える日本人が被害に遭い、国際会議にも大きな衝撃を与えました。

この事件を契機として、日本ではPCBの輸入や製造が禁止され、国際的にも2028年までにPCBを全廃するというPOPs条約というものが締結されることになりました。これを受け日本政府はポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)を制定。2027年までに適正な処理を行うことを事業者に義務付けました。

PCBを処理するためにはどうすればいい?

PCBはPCB特措法によって2027年までに処分しなければいけません。この期限を超過してもなおPCBが含まれたキュービクルを使用していると、国から改善命令が出されることになります。

また、PCBは有毒な物質であり、生命を脅かすものでもあります。このため、不正な処分は許されません。以下では、正しい処分の方法についてご紹介していきたいと思います。

検査

まずは、お使いのキュービクルを検査する必要があります。PCBが含まれる機器については、日本電気工業会の公式HPにて確認することもできますが、このページに記載されていない機器だからといって、PCBが含まれていないということはありません。使用絶縁油の種類が明らかでない場合は検査をする必要があります。PCB検査についてはキュービクルのメーカーに問い合わせてみてください。

届け出

検査結果、PCBが0.5mg/kg以上の濃度で含有されていた場合、行政へ届け出を行います。届け出書に関しては各自治体の環境局のHPからダウンロードすることができます。不明点がある場合は自治体に連絡してみましょう。

適正保管

次にPCBが飛び散ったりして何らかの危害が及ばないように適正に保管しておく必要があります。保管方法についても法律で定められており、主な注意点は以下の通りです。

  • 保管場所に容易に他人が立ち入ることがないようにする
  • 倉庫や保管庫など施錠できる場所での保管する
  • 外部からPCBを保管していることが分かるように掲示板を設ける
  • 飛散・流出・浸透などを起こさないように管理する
  • 腐食防止の措置を講ずる
  • 他のものが混入しないようにする

詳しくは、東京都環境局の公式HPに記載されていますが、届け出を行ったときに自治体から指導が入るためそれに従ってください。

指定の施設での処分

PCBを処理することができるのは、日本政府が100%出資をするJESCOが持つ施設だけです。JESCOの施設は全国に5箇所しかなく、PCBを発見できたからといってすぐに処理してもらえるわけではありません。このため長い場合は数年間待たされることになってしまいます。

届け出を行うと行政から案内があると思いますが、処理施設の場所についてご紹介しておくと、以下の通り。

北九州PCB処理事業所
福岡県北九州市若松区響町一丁目
豊田PCB処理事業所
愛知県豊田市細谷町三丁目
東京PCB処理事業所
東京都江東区青海三丁目地先
大阪PCB処理事業所
大阪府大阪市此花区北港白津二丁目
北海道PCB処理事業所
北海道室蘭市仲町

これ以外の施設で処理することは禁止されているため、おとなしく行政の指導に従いましょう。

また、キュービクルを所持する事業者は、処理費用を負担する必要があります。PCBの処理に必要な費用は、処理する設備の大きさによって変動しますが、仮に1,000kgのキュービクルを処理する場合には500万円という高額な費用が必要になります。

PCBの処分には補助金が出る

キュービクルの処分には高額な費用が必要になりますが、中小企業や個人事業主の場合は高額な処理費用を支払う余裕はないかもしれません。このため不適切な処分方法をされてしまっては、日本政府は国際的に非難されることになってしまいます。

ということで、中小企業や個人事業主に対しては、キュービクルを処分する費用の一部を政府が負担してくれるという制度が設けられています。この制度のことを「中小企業等処理費用軽減制度」といいます。

詳しくはJESCOの公式サイトに記載されていますが、中小企業の場合は処理料金の70%、個人の場合は処理料金の95%が軽減されます。大企業と100%出資関係にあるような場合には補助されませんが、当てはまるのであれば利用しない手はないですね!

まとめ

キュービクルにPCBが含まれていたときの処理費用についてご紹介してきました。PCBが含まれているキュービクルについては、法律で他者への譲渡や受け渡しができないようになっていますので、「もしかして?」と思うなら早めに検査をして割引制度を利用できる今処分をしたほうが良さそうですね。

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