スーパー銭湯の電気代節約ポイント

スーパー銭湯の電気代節約ポイント

目次

  1. 温泉のみのスーパー銭湯施設の場合
    1. サーキュレーター・扇風機を併用して使う
  2. 24時間営業のスーパー銭湯施設の場合
    1. 電球をLED電球に変更する
  3. エアコンの設定温度
  4. 室外機の設置場所
  5. お客様の入りでお湯の設定温度を変える
  6. 体感温度を下げることが必須
  7. 快適に過ごしていただくための施設の電気代の考え方
    1. 設備機器の清掃・メンテナンスをこまめに行なう
    2. 使用場所によって設定を変える
    3. エアコンによっては新品に買い換える
  8. まとめ

スーパー銭湯の運営で、コスト管理を考えたとき、光熱費は大きなウエイトを占めます。
「銭湯」というとお風呂がメインなので、水道代がかかるイメージを抱く人は多いでしょうが、実は意外とかかってしまうのが電気代です。

スーパー銭湯は従来の公衆浴場とは違い、「休憩スペースや飲食スペースを設けているところや、24時間営業を行なっている施設が多い」という特徴があります。その分、空調機器の稼働時間が長く、稼働台数が多くなりがちです。

スーパー銭湯はお風呂がメインの施設のため、水道代を削減することは困難です。そのため、少しでも電気代を削減したいですよね。かといって、お客様の快適さのためには、極端な節約も考えもの…。

そこで今回は、スーパー銭湯の電気代の節約ポイントをご紹介します。

温泉のみのスーパー銭湯施設の場合

スーパー銭湯の多くには、飲食スペースや娯楽スペースが完備されていますが、風呂設備を充実させた温泉に特化しているところもあります。
このような施設では、空調設備の使い方を工夫して、電気代を削減しましょう。

サーキュレーター・扇風機を併用して使う

風呂設備が充実している施設では、その分脱衣場が広いところや、風呂ごとに脱衣所を設けることにより複数箇所に分かれているところもあります。
脱衣所が広くなったり増えたりすると、その分室温を管理するために使用するエアコンの稼働量が増えることになります。こうした施設で電気代を節約するために有効な手段は、サーキュレーターや扇風機を空調機器と併用することです。

サーキュレーターや扇風機を併用して使うことで、設定を数度上げても、室温を快適に保つことが可能となります。
26度から27度に1度上げて扇風機を一緒に使うと、9%の省エネになるという結果も出ています。

なお夏場だけではなく、冬場の節電にもサーキュレーター・扇風機の併用は有効です。使用時間が同じでも、夏場より冬場の方が空調機器の使用による電気代が高くなることはご存じでしょうか。
冬場の方が、外気温と室温の設定との差が大きくなることが多いため、消費電力が大きくなってしまうのです。
サーキュレーターや扇風機というと、夏場を連想しますが、冬場でも一緒に使うことで、電気代を削減することができるのです。

参考:
東京電力エナジーパートナー
http://www.tepco.co.jp/ep/private/savingenergy/airconditioner01.html

24時間営業のスーパー銭湯施設の場合

スーパー銭湯施設の中には、24時間営業しているところも少なくありません。営業時間が長い施設の場合、大幅に電気代を削減するために有効な方法のひとつは、「施設内の電球をLED電球に切り替える」ことです。

電球をLED電球に変更する

施設内の電球をLED電球に切り替えることで、月々の電気代を削減し、長期的にコストを節約することが可能です。
LED電球は同程度の明るさの白熱電球に比べて消費電力が少ないため、電気代を減らすことができます。また、電球の寿命が長いため、1度買い換えると長年使用でき、買い換えコストを抑えることにもつながります。

東芝ライテック株式会社のホームページ内の「省エネ計算プログラム」で、LED電球に切り替えた際の電気代の違いを試算することができますよ。

一般白熱電球100W形を、同様の形相当のLED電球一般電球形11.2Wに変更する場合の違いを、使用環境を仮定して試算してみましょう。

使用電球数:50灯 年間点灯日数:365日 点灯時間:24時間(1日あたり) LED電球の購入価格:7,560円

この仮定で試算を行なうと、年間の電気代は、一般的な白熱電球の場合は約1,064,340円だったことに対して、LED電球の電気代は約132,452円だという計算結果が出ました。
差額は約931,888円となり、かなりの金額を節約できることがわかります。なお、償却年数も計算され、先ほどの条件の場合は約0.5年と、半年を待たずに償却できるそうです。

LED電球は白熱電球に比べて、1個あたりの金額が高いのがネックです。先ほどの仮定では、1個あたりの金額は7,560円に設定されており、50個を購入すると378,000円です。

施設内の照明をすべてLED電球に切り替えるとなると、初期費用がかなり嵩んでしまいます。しかし、施設内で多くの電球を使い、毎日長時間使用する施設の場合は、思い切ってLED電球を導入する方が、大幅な節約につながるのでお勧めです。

参考:
東芝ライテック株式会社「省エネ計算プログラム」
http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/keisan/led_denkyu/led_denkyu.htm#0

エアコンの設定温度

お客様の快適さのためには、空調機器を稼働させないわけにはいきません。しかし、設定を調節することで、電気代の削減に繋げることができますよ。

夏場の場合、設定を1度あげると約10%消費電力を削減することが可能です。

簡単に電気代を削減できる方法のため、導入しやすいですよね。

参考:
経営会議ドットコム「電気代を大幅削減する20の方法(工場・店舗編)」
http://yts.jp/article/0035/

室外機の設置場所

電気代を削減するためには、室外機の設置場所にも配慮が必要です。室外機の周りがものや壁で囲まれてしまうと、空気が流れにくくなり、空調効率が悪くなってしまいます。特にふき出し口の前をふさがないようにすることが大切です。

冷房を使っている間、ふき出し口からは熱い空気が出ています。これは、空調機器が部屋の中の空気を取り込み、外に捨てているからです。ふき出し口の前に障害物があると、せっかく捨てた熱い空気を再び室外機が取り込んでしまうため、効率が悪くなってしまうわけです。

このことは冷房だけではなく、暖房にも共通していえることです。冷房の場合は、周りが囲まれている場合、そうではない場合に比べて効率が17.7%ダウン。暖房の場合は、同じく25.3%もダウンするという比較結果が出ています。

また、冷房の場合は、1日中直射日光が室外機に降り注いでいる環境も、室外機自体が熱を帯びてしまい放熱しにくくなるため、空調効率がダウンしてしまいます。
空気の流れを邪魔しない位置にすだれを立てかけて、日陰を人工的に作ったり壁を作ったりして、できる限り直射日光が室外機に当たり続けない環境を整えましょう。

参考:
東京電力エナジーパートナー
http://www.tepco.co.jp/ep/private/savingenergy/airconditioner01.html

ダイキンホームページ「子どもだって節電!エアコンの節電にチャレンジしよう02」
http://www.daikin.co.jp/naze/setsuden/check.html

お客様の入りでお湯の設定温度を変える

お客様の人数は、曜日や時間帯によって大幅に上下するものです。
電気で風呂を沸かしている施設の場合、設定をお客様の入りによって変更することでも、電気代を節約することができます。

1リットル分の水温を1度上げるためには、1キロカロリーのエネルギーが必要です。そのため、大量に湧かす必要のある施設では、1度下げるだけでも、大幅に電気代を節約することができます。
浴槽のほかに、風呂を沸かす際に使用する給湯槽の温度も、できるだけ低めに設定しておくと、放熱による損失を減らすことができ、節電につながります。

参考:
東京都環境局 公衆浴場の省エネルギー対策
https://www.tokyo-co2down.jp/cmsup/pdf/publicbath-house.pdf

経済産業省資源エネルギー庁 「家庭の省エネ徹底ガイド」
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/katei_tettei.pdf

体感温度を下げることが必須

浴場における室温管理の目的は、風呂上がりの体感温度を下げることです。効果的な方法のひとつが、「風を作り出すこと」です。先ほどご紹介した、サーキュレーターや扇風機との併用は、冷暖房の効率をあげるだけではなく体感温度を下げるためにも効果を発揮してくれます。

また、空調機器の設置場所が部屋の片隅であるなら、サーキュレーターや扇風機を使って冷気を部屋全体に送ることでも、涼しさを感じることができます。大がかりな工事を行なって設置場所を変えたり、台数を増やしたりせずに、お客様に涼しさを感じてもらえる方法を取り入れていきましょう。

そして、設定を変えずに、空調機器の風量を「強」にすることも方法のひとつ。火照った体に風が当たる環境を整えることで、体感温度を下げることができるのです。
体感温度には個人差があるため、自由に使えるうちわを施設内に用意しておく、休憩所では冷たい飲みものや冷やしたおしぼりが利用できるなど、個人で調節できる方法も導入しておくと良いでしょう。

参考:
イキンホームページ「子どもだって節電!エアコンの節電にチャレンジしよう04」
http://www.daikin.co.jp/naze/setsuden/thermostat.html

快適に過ごしていただくための施設の電気代の考え方

スーパー銭湯施設は、お客様が日常の疲れを癒やしに訪れる場所です。そのため、お客様が快適に過ごすために、「必要な箇所では使用する電気を削らない」ことが鉄則となります。
大がかりな工事など、料金が多額にかかるものを取り入れなくても、電気代の削減は可能です。まずは施設として取り入れられる施策を、ひとつひとつしっかりと行なっていきましょう。

設備機器の清掃・メンテナンスをこまめに行なう

まず施設として意識して導入しやすいことが、設備機器の清掃やメンテナンスです。日々の業務の中に組み込んで、習慣化させてしまいましょう。

・フィルターの掃除をこまめに行なう
フィルターをきちんと清掃しておくことは、空調効率を高め、電気代を削減するために大切です。

経済産業省の「一般飲食店における省エネルギー実施要項」によると、1年間空調機器のフィルター掃除をしない場合は、定期的に掃除をしている場合と比べ、電気代が約10%アップするという例が紹介されています。

フィルター掃除をする頻度は、目安として施設自身で行なうものは2週間に1度程度です。このほか、1年に1度程度、専門業者に委託し、素人ではおこなえない内部機器や室外機のメンテナンスも行なっておくと良いでしょう。

日本冷凍空調工業会の「業務用エアコンを長く安心してお使いいただくために」というパンフレットによると、定期的にメンテナンスを行うことで、メンテナンスをしていない場合と比較して、約9年も耐用年数を延長することができます。

・厨房機器のメンテナンスをこまめに行なう
飲食スペースを設けている施設ならば、厨房機器のメンテナンスも節電には有効です。

冷蔵庫もフィルター掃除が定期的に必要です。床の近くにある冷蔵庫の場合は、特にホコリが付着・目詰まりしやすくなっています。厨房内の清掃時に、こまめにチェックを行ないましょう。
また冷蔵庫のパッキンも、定期的に破損がないか、霜がこびりついてしまっていないかというチェックが必要です。
例として、経済産業省の「一般飲食店における省エネルギー実施要項」では、パッキンが1㎝欠損している場合、冷蔵庫では約17%、冷凍庫では約27%もの電力を余分に消費してしまうと紹介されています。
きちんと扉が閉まりきるようにしておくことが大切なわけですね。

冷凍庫と同様に製氷機も、使用後にふたを完全に閉めること、フィルターなどの清掃が必要です。

・照明器具の清掃をする
電球や照明器具にほこりが付着したり降り積もってしまったりすると、明るさが減ってしまいます。きれいにしておくことで、点灯照明数を減らしても問題なくなったり、ワット数を減らしても支障がないことが判明するケースもあります。
1年に1~2度程度は拭き掃除を行なっておきましょう。

使用場所によって設定を変える

使用する場所や時間帯により、機器の使用設定をこまめに変えることも、手軽に取り入れやすい節電方法です。

・不要な照明を減らす
曜日・時間帯によって、使用されない部屋や、日が差して明るい部屋などでは、照明を消す、最小限にするなどして、こまめに節電を行ないましょう。
点灯・消灯が設定できるシステムを使うこともおすすめです。

また、施設内にある自販機の照明も、不要時には消しておきましょう。こちらも、タイマー設定を行なっておけば手間にはなりませんね。

・場所によってお湯の温度設定を変える
風呂の水温を簡単に数度下げることは難しいこともあるでしょう。しかし、施設内でお湯を使う場所は、お風呂だけではありません。

厨房の皿洗いやトイレの温水便座などは、必要以上に設定が高くなっていないかをチェックし、適度に下げておきましょう。

経済産業省の「一般飲食店における省エネルギー実施要項」では、5号給湯器を1日4時間使用した例として、設定を45度から40度に下げると、年間約28,000円の電気代を減らすことができると紹介されています。

エアコンによっては新品に買い換える

新築の施設ならば良いのですが、施設によっては、開業時のまま、10年以上同じ空調機器を使用しているというケースもあると思います。

省エネ性能は、年々飛躍的に向上しています。経済産業省・資源エネルギー庁の「家庭の省エネ徹底ガイド」では、今の空調機器は10年以上のものと比べ、約40%もの効果があると紹介されています。

買い換えコストがかかるものではありますが、長年使用している場合は、買い換えも検討してみましょう。

また、冷暖房は季節によって設定をこまめに変更することもおすすめです。気温の高い夏場は設定温度を下げておくことを忘れずに行ないましょう。

参考:
経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要項」
http://www.meti.go.jp/setsuden/press/20080331014/03_2_inshoku_shoene.pdf

東京都環境局 公衆浴場の省エネルギー対策
https://www.tokyo-co2down.jp/cmsup/pdf/publicbath-house.pdf

経済産業省・資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬」
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/more/img/home-ecology.pdf

日本冷凍空調工業会「業務用エアコンを長く安心してお使いいただくために」e-book
https://www.jraia.or.jp/download/e-book/tenken_gyoumu/_SWF_Window.html?mode=1062

まとめ

「お客様の快適さを守るためには、節電は難しい」と考えてしまいがちかもしれませんが、快適さを保った上で、簡単に取り入れられる施策は多くあります。
「エアコンをすべて買い換える」といった大がかりなことができなくても、まずは日々のメンテナンスや清掃を行い、意識の改革から始めてみましょう。

施設で行える電気代の削減とあわせて、契約電気会社を見直すことで、より大幅なコストカットをすることができますので、そちらも是非チェックしてみてくださいね。

参考:
東京電力エナジーパートナー
http://www.tepco.co.jp/ep/private/savingenergy/airconditioner01.html

東芝ライテック株式会社「省エネ計算プログラム」
http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/keisan/led_denkyu/led_denkyu.htm#0

経営会議ドットコム「電気代を大幅削減する20の方法(工場・店舗編)」
http://yts.jp/article/0035/

ダイキンホームページ「子どもだって節電!エアコンの節電にチャレンジしよう02」
http://www.daikin.co.jp/naze/setsuden/check.html

東京都環境局 公衆浴場の省エネルギー対策
https://www.tokyo-co2down.jp/cmsup/pdf/publicbath-house.pdf

経済産業省資源エネルギー庁 「家庭の省エネ徹底ガイド」
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/katei_tettei.pdf

ダイキンホームページ「子どもだって節電!エアコンの節電にチャレンジしよう04」
http://www.daikin.co.jp/naze/setsuden/thermostat.html

経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要項」
http://www.meti.go.jp/setsuden/press/20080331014/03_2_inshoku_shoene.pdf

東京都環境局「公衆浴場の省エネルギー対策」
https://www.tokyo-co2down.jp/cmsup/pdf/publicbath-house.pdf

経済産業省・資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬」
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/more/img/home-ecology.pdf

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