冬と夏はどちらのほうが電気代が高い?統計で比較してみた

一般的に、夏になると「エアコンの温度は28度に設定しましょう」などと声高に節電が叫ばれます。しかし一方で、冬になると「エアコンは○度に設定しよう」という声はあまり聞きません。

このことから、「夏の電気代は高い」と勝手に思い込んでしまいがちですが、実際のところはどうなのでしょうか?

今回は、統計データをもとに冬と夏はどちらの電気代が高くなるのかをチェックしていきたいと思います。

実は冬のほうが電気代が高い

結論から言ってしまうと、夏と冬だと冬のほうが電気代は高くなると言われています。――これは資源エネルギー庁が取っている統計を見ても明らかで、6月~8月よりも1月~3月のほうが消費電力が多くなっています。

以外にも比較的暖かくなってきている4月と残暑残る9月が同じくらいの消費量となっています。これはどういうことなのでしょうか。

暖房と冷房の違いが消費電力量の差を生む

実は、夏より冬の電気代が高くなる原因は暖房と冷房の違いにあります。

エアコンは室外機から外気を取り入れ、室内に送風することで部屋全体を温めるあるいは冷やすことができます。この時、空気をどれくらい冷やすかあるいは温めるかによって消費電力量が変わってくるのです。――つまり、室内の設定温度と室外の気温の差が大きければ大きいほど消費電力は大きくなるということです。

ここで、2017年の月別の平均気温についてチェックしてみましょう。

参考:気象庁

夏のピークで暑い時でも28℃となっています。――エアコンの温度を涼しめの25℃に設定したとしても、その差は3℃程度になります。一方の冬は、一番寒い1月だと4.7℃になります。室温はだいたい20℃くらいに設定しますから、14℃くらいの温度差があることがわかります。

つまり、単純計算で冬のエアコンの電力消費量は夏の3倍となるわけです。――もちろん、寒さは暑さに比べて服を着込んだりすることで対策することができるため、エアコンの利用頻度は少ないかもしれませんが、それでも一度電験を入れると大量の電力が消費されるのです。

なぜ夏は電気代節約が叫ばれるのか

ところが、電力消費量が少ない夏になぜか「節電をしましょう」ということが叫ばれます。

もちろん、冬も節電をしましょうというメッセージは流れてきますが、夏のほうがそのメッセージは強くなります。

この理由は、その日の電力のピークにあります。まずは以下のグラフをチェックしてみましょう。

少し色の関係で見にくいですが、2010年あたりまで日別の夏の消費電力のピークは夏のほうが圧倒的に大きいです。これは2010年あたりまで夏のほうが電力消費が大きかったわけではありません。――どういうことかというと、夏はある時間帯になると一気に電力が使われ始めるのです。つまり、一日の中でも消費される電力が安定しておらず、ピーク時にはとてつもない量の電力が消費されるのです。

一方の冬は比較的安定して電力が消費されます。これが夏に節電が叫ばれる理由です。

夏は発電効率が悪い

電気とは、一度発電するとどこかにストックしておけるものではありません。――つまり、発電したら使わなければならないのです。逆に電力会社としては、電力の供給を止めることはできません。そんなことがあっては私達も困ってしまいますよね?

もう少し具体的に言うと、電力会社は常に需要を上回る発電をする必要があるのです。――つまり、予期せぬ需要の増加に備えて多めに発電をする必要があるのです。これは無駄な電気が発電されることを意味します。

原子力発電所が稼働していれば、無駄な電力が生まれても「仕方ない」と割り切れるのですが、現在はほとんどの電力が火力発電によって生み出されており、原価率が悪くなってしまいますから、電力会社としてはなるべく安定的に電力を使って欲しいわけです。

こういった理由から、夏に「節電」を叫んで急な電力需要の増加を防ごうとしているのです。

冬でも夏でもほどほどに節電は心がけよう

2018年、日本は猛暑を記録しました。7月には1875年から記録されている気象庁の月別平均気温の最高平均気温を記録し、熱中症によって数人の方が亡くなっています。

このように、無理をして節電する必要はありませんが自らの健康を害しない範囲でできる限り節電することが求められています。

原子力発電所が停止した状態で、他の先進国に比べて再生可能エネルギーの導入も送れている状況。そんな中で私達ができることは、日頃から細かい節電を心がけることです。

節電することで家計にも優しく、環境にも優しく…読者諸君にはそういう意識を大事にして欲しいと思います。

事業者様必見!
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小西 智一

株式会社Bliss Ariseの電力事業の営業担当です。多くの事業主様により安心しておトクに電気を使って頂くため、日々奮闘しています。

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