水銀灯と蛍光灯が与える環境問題とは!?

2020年に生産が終了することが発表されている水銀灯。これは『水銀による環境の汚染の防止に関する法律』という法律によって規制されることが原因です。これに伴って、大手の家電メーカーを始めとする一部のメーカーでは水銀を微量に含む蛍光灯の生産を中止することも発表しています。——今回の水銀汚染防止法によって「蛍光灯程度の微量の水銀含有量であれば、規制の対象から外れるにも関わらず」です。

これは、水銀が与える環境被害や生物への有毒性を考慮してメーカーが自主規制をしたものですが、果たして水銀は一体どのような環境問題や公害を引き起こすと考えられているのでしょうか。

今回は、水銀灯や蛍光灯が与える環境被害についてご紹介していきたいと思います。

水銀は人体に有毒

小学校の社会科の勉強でも出てくる「水俣病」は、水銀によって引き起こされた公害として世界的にも有名な事件です。水俣病はそもそもメチル水銀を水俣湾に工場が垂れ流していたことに起因します。

水俣湾に垂れ流された水銀は、水俣湾に生息する生物——つまり魚介類に蓄積されていき、その魚介類を口にした人間にまで被害が及んだ人類史上最初の環境汚染の食物連鎖によって引き起こされた公害病としても有名です。水俣病の被害申請は17,000件以上となっており、うち死亡者は1,517人。最大規模の公害病として、高度成長時代の日本の四大公害病にも数えられるほどです。

水銀は人体に様々な影響を与える物質で、神経系に重度の影響を与えるだけでなく、妊婦が摂取した場合はその子供にまで影響を与え、発声障害を持った子供が生まれることもあると言われています。中でもジメチル水銀のように毒性の高い水銀に体内が汚染された場合は数時間程度で死に至るとされており、その致死量たるや僅か1000分の1リットル程度と、非常に危険な物質なのです。

ジメチル水銀は皮膚にこぼすだけで死に至る

そんな有毒な水銀の中でも最も毒性が高いとされるジメチル水銀は、数マイクロリットルを皮膚にこぼすだけで、ゴム手袋の上からであっても死に至るとされています。実際にアメリカのダートマス大学の化学教授はラテックス製の手袋の上に数滴のジメチル水銀をこぼしたことによって被曝し、治療が行われたもののそれから被曝後10ヶ月が経過してから死亡したとされています。

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メチル水銀は蓄積されることで被害を及ぼす

水俣病の原因にもなってメチル水銀は、蓄積されることで健康被害を及ぼす物質です。水銀は通常適切な処置を行わなければ体外へ排出されることがないため、食物連鎖の上位にいるような動物には特に多く蓄積されているとされており、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、妊婦に対してメチル水銀を多く含んでいる可能性が高いマグロやサメ、ズワイガニなどの一定量以上の摂取を控えるように指導しています。

食物連鎖の頂点にいる人間にとってはメチル水銀こそ最も注意しておかなければならない物質です。知らぬ間に体内に蓄積されていき、神経病や胎児に被害を及ぼす可能性があるためです。水銀は有毒ゴミとして処理されるようになっていますが、体温計や乾電池、水銀灯などの身近な製品にも使われているものなので、こういったものが不法投棄されることによって環境汚染が進んでいく可能性があります。不法投棄された水銀は海の生物を汚染し、巡り巡って人間の体内に蓄積されていく可能性があるのです。

メチル水銀は人間や他の生物を死に至らしめるほど摂取しなくても、生殖機能の低下、胃や腎臓の障害、生長の阻害など様々な毒性症状を引き起こします。また、先にも説明した通り胎児にも悪影響を及ぼし、その被害は脳にまで及ぶこともあります。なお、メチル水銀だけでなく、エチル水銀という物質も似たような食物連鎖による環境被害があるとされています。

少しの水銀も残さないために

ジメチル水銀のようにすぐさま人体に悪影響を及ぼす物質は排除されて然るべきですが、メチル水銀のように蓄積されていき、一定量に達した時に毒性症状を発症するものに関してはその緊急性の低さから長らく放置されてきました。しかし、人々の健康あるいは他の生物の安全や健全な環境を維持するために水銀はあってはならないものです。こういった考えのもと、水銀汚染防止法が施行され、各メーカーは規制の対象外となる蛍光灯の製造を中止することを決定したのです。

2020年の水銀汚染防止法によって全ての水銀がなくなるわけではありませんし、安価で便利な蛍光灯は全てのメーカーで生産が終了するわけではありません。ですが市場に出回る水銀を含む製品の量が減ることは確実です。これは、環境問題という側面から見た時に大きな一歩ではないでしょうか。

照明はLEDに切り替えよう!

さて、水銀灯の生産については規制の対象となるため、これまで水銀灯を使用してきた施設では、2020年までに切り替えが必要になりますが、蛍光灯については確実に切り替えなければならないというわけではありません。

2020年以降も蛍光灯は使用可能な状態が続きますが、世の中から水銀を無くすためには、エンドユーザーである私達の心構えが大事になってきます。もちろん蛍光灯に使用されている水銀の量は微量なものであるため、それによって人体や環境が汚染されるとは考えにくいですが、水俣病や新潟水俣病のような被害を繰り返さないためにも水銀を使用していない照明であるLEDに切り替えたほうが良いでしょう。

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