ケアハウスなどの施設の電気代節約をお手伝い

近年、日本は高齢化社会が進んでおり、介護ニーズは高まり続けており、高齢者や要介護者向けのさまざまな種類の施設が存在します。
これらの施設は、サービス内容や介護保険の適用の有無、入居の介護レベルの条件などの違いがあります。

特に公的機関が運営するケアハウスなどでは、国からの運営費の減額や消費税増税分の対策がされていないこと、補助金制度の撤廃などで財源の確保が厳しく、経営が難しい状況に陥っています。

そこで今回は、ケアハウスの経営向上にむけた経費削減につながる「電気代節約」についてご紹介したいと思います。

夜間のサポートのあるケアハウス施設の場合

ケアハウスを運営する上で知っておきたいのが、運営形態の違いによって電気代などの経費が大きく異なる点です。

ケアハウス(軽費老人ホーム)とは

ケアハウスは低所得者あるいは身寄りのない高齢者が自治体の助成によって入居できる経費老人ホームです。軽費老人ホームには入居条件やサービス内容によってA型B型C型が存在し、ケアハウスは身体障害や自立困難な高齢者向けの住まいで食事のサービスも付いたC型軽費老人ホームに該当します。
C型軽費老人ホームでは入居者は毎月、家賃・食費・管理費・光熱費・雑費合わせて6~17万円程度を自己負担する必要があります。

夜間サポートのあるケアハウスについて

C型軽費老人ホームには一般型・介護型が存在し介護サービスの内容が大きく異なります。介護型の場合24時間看護師が常駐していたり、病院と24時間連携体制をとっていたりすると夜間に在籍する職員の数も多くなります。
そのため夜間サポートのあるC型軽費老人ホームでは、夜間サポートのないケアハウスに比べて夜間の電気代が上がる傾向にあります。

そこで電気代の節約として電気料金のプランを「夜間の電気の単価が安い料金プランに変更する」ことを検討してみてはいかがでしょうか。特に、冬季は夜から明け方にかけて冷え込むため暖房に電気代がかかってしまいます。夜間にお得な電気料金プランを選ぶことで冬の夜間の暖房費を大きく節約することができます。

ただし、夜間の電気の単価が安い料金プランは、冬季は電気代を抑えることができますが、夏季は電気代が上がる可能性があります。なぜなら夏は太陽の出ている日中に冷房をたくさん使う傾向にあるからです。また日中の方が、使用電気量が多い場合は逆に料金が高くなってしまいますので年間の使用量、使用時間の分布を把握した上で検討しましょう。

高齢者には暑さと寒さどちらの方が体への負担が大きいのか

それでは体温調節機能の低下した高齢者にとって暑さと寒さどちらが体への負担が大きいのでしょうか。
2010年に発表された「2010 年都道府県別高齢者死亡率の季節変化」のデータによると、65歳以上の高齢者の死亡率はいずれの都道府県においても冬季に高く夏季に低い傾向にあることが示されています。

引用元:

2012年度日本地理学会春季学術大会発表「2010 年都道府県別高齢者死亡率の季節変化」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajg/2012s/0/2012s_100219/_pdf

このことから、高齢者により安全に快適に過ごしてもらうためには、特に冬季の温度管理は重要となってきます。

従って、冬季を重視し「夜間の電気の単価が安い料金プラン」を検討してみることをおすすめします。もちろん、夏の暑い間は熱中症対策や脱水症状など暑さから生じる様々な健康リスクにも十分気をつける必要があります。

さらに2016年4月以降「電力自由化」が本格的に開始され、私たちは自由に電力会社を選べるようになりました。さらに電力分野に参入する企業も増えて、私たちは自由にさまざまな電力会社が提供する料金プランの中から最適なものを選んで契約できるようになりました。

料金プラン変更の際は、できるだけ多くのプランから選ぶようにしましょう。例えば「夜間の電気の単価が安い料金プラン」でも、何時から夜間と定めるのか、どのくらい安くなるのか、日中はいくらなのか、など調べて運営スタイルに合ったものを選択してくださいね。

入居しているお客様が負担する分

前述した通り、軽費老人ホームでは介護サービス費以外の家賃・食費・管理費・光熱費・雑費は入居しているお客様が全額自己負担することになります。
管理費には共有施設の維持管理費が、光熱費には水道代・電気代・ガス代が含まれています。
それでは実際にいくらくらい負担しているのでしょうか。

軽費老人ホームの住まいのタイプによってそれぞれ異なりますが、食費・光熱費で約45000円、専用部分の光熱費で約10000円といわれています。月額の総額負担がだいたい6~17万円といわれているので食費・高熱費・専用部分の光熱費で合わせて約5,5000円という金額はかなり大きな割合を占めていることがわかりますよね。
従って「施設全体で電気代を含めた光熱費をいかに抑えるか」ということが、運営上だけではなくお客様の個人負担の面からも非常に重要であることがわかります。

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管理費用に光熱費も含まれる

管理費用の光熱費は、一部はお客様が負担してくれますが、共有スペース・職員スペース・利用者には関係のないエリアの光熱費に関しては、大半は運営側が負担しなければなりません。
また、光熱費の削減には水道代やガス代の節約も大切です。
そこで共有スペースや職員スペースの電気代を節約するための方法と水道代やガス代をどのように抑えるかみていきましょう。

共有スペース

共有スペースではまず照明の取り替えを検討してみましょう。現在もしも蛍光灯を使用しているのであればLED照明に変えることで電気代を節約できます。蛍光灯とLED照明の1時間当たりの電気代は蛍光灯で約3.1円、LED照明だと約1.2円です。つまり取り換えるだけで光熱費を半額以下に抑えることができます。
また、LEDの方がランプ自体の寿命が3倍以上長いため、交換の頻度も下がり手間も省けるというメリットがあります。

職員スペース

職員スペースの電気代の節約は、共有スペースとは異なり高齢者が使うわけではないので、省エネ意識を持ちましょう。空調の温度管理は、政府が推奨している夏28度・冬20度を目標に設定するだけで年間の電気代を削減することができます。また、使わない部分はこまめに電気を消しましょう。職員ひとりひとりの心がけが大切です。

水道代

老人ホームなどでは調理・入浴・洗濯・トイレなど水道代のコストがかかります。

調理
水道は出しっぱなしにしないでこまめに止めるようにしましょう。また、洗う食器が多い場合は食洗器の導入を検討したり、食器用洗剤をつけすぎないよう気をつけたり、洗う前に一度不要な紙でふき取ったりしましょう。

入浴
高齢者の場合、温度管理は重要ですので節約のために設定温度を下げるといった安易な対策はおすすめできません。また、浴槽にペットボトルなどを入れてかさ増しするといった節水方法もありますが、足元の弱いお客様がケガをしてしまっては大変です。節水の施策を考える前にまずは安全面を考慮しましょう。
浴槽のお水を掃除に使ったり、花の水やりに使用したり有効活用してみることを検討してみてください。また、シャワーや蛇口の流量を違和感なく減らせる節水装置の導入を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

洗濯
洗濯ではなるべくまとめて洗うことで電気代・水道代共に軽減することができます。しかしあまり洗濯機に詰め込みすぎると負荷がかかってしまい多くの電気を消費してしまいます。そこで洗濯物は「容量の80%」に抑えるようにしましょう。さらに洗濯コーズもなるべく頑固な汚れ以外はスピードコースを使うようにすると時間が大幅に短縮されて電気・水道の省エネにつながります。
さらに乾燥機の使用はなるべく控えましょう。乾燥器は電気の消費量が多いので毎日使用し続けると年間の電気代を押し上げる要因となります。干す手間と時間の短縮にはつながりますが、外で天日干しすることで洗濯物が殺菌され、衛生的にも良いとされています。
湿気の多いシーズンは脱水時間を長めに設定することで洗濯物の水分が抜けるため乾きやすくなります。

トイレ
お手洗いも意外と水の使用量の多い場所です。タンクの水量を調整することで節水につながります。

ガス代

2017年4月以降「ガスの自由化」が始まりました。
これまでガス会社はほぼ独占状態にあり、私たちは自由にガス会社を選べることはできませんでした。しかしガスの自由化に伴い、新規参入する企業も増えてきています。
これによって、ガスのサービスが多様化して電気と同様にさまざまな料金プランが提供される可能性があります。
介護施設でガスを使用するのは調理の時間と入浴の時間です。ガスの消費動向を考慮して最適なガス会社を選びましょう。
ガスを効率的に使用し、契約プランの見直しを行うことで光熱費の軽減にもつながります。

注意すべきは部屋の快適さ

住まいの省エネ対策は、運営上のコスト削減のためにもお客様の負担軽減のためにも地球環境保護のためにも良いことです。しかしやりすぎると利用者の快適さに影響を与えてしまいます。

特にケアハウスでは自立生活の困難な高齢者が生活しています。個人の部屋、共有スペースを極力安全に気持ちよく使ってもらえる取り組みを行うことも大切です。バリアフリーをこころがけ、明るく衛生的な環境を提供することを最優先に考えましょう。

お客様に日常的な生活をしてもらうために

基本的に軽費老人ホームでは、食事の時間、入浴の時間は決まっていますがそれ以外はお客様が自由に生活できる住まいを提供しています。
従って、運営側は食事の時間と入浴の時間以外は制限することができません。しかし入浴は運営経費の中でも電気代・水道代・ガス代全てがかかっている部分でもあります。
始めに提案した、夜間に電気料金を安くするプランを申し込むのであれば、その時間に合わせた入浴時間に設定してみることを検討してみてはいかがでしょうか。夕飯の時間も同様です。
逆に日中にお得な料金プランを設定している場合は、入浴時間・夕飯時間共に早めに設定することを考えてみてください。

電気代を削減する為に新しいエアコンを購入する

電気代の中で大部分を占めるのがエアコンによる電力消費です。
日本は4つの四季がありますが、春と秋の快適な気候は短いため、ほぼ1年中エアコンを作動させている住まいや店舗が珍しくありません。
エアコン機器は年々進化しています。さまざまな省エネ対策が施されており、最新の機種と15年前のエアコンを比較すると消費電力は40%も違うといわれています。10年前の機種と比べても20%近い省エネになるようです。
エアコンの買い替えには出費を伴いますが、ほぼ1年中エアコンを作動させる必要のあるケアハウスなどでは最新の機種に買い替えた方が、年間の電気代を削減することができるといえます。

トータル的にコスト削減になることも

電気代の節約には職員が意識できることには限界があり、設備自体を変える方が効果も大きくなります。設備投資にはコストがかかってしまいますが、かしこく導入することでトータル的にはコスト削減につながります。
照明の買い替え、大浴場の節水装置の導入、新しいエアコンの購入などを検討してみましょう。

照明をLEDに切り替える

先ほどご紹介した「LEDへの切り替え」ですが、産労総合研究所が発表した「介護施設における経費削減に関する実態調査」によると、調査の中で約37.4%もの施設が取り入れていると回答している施策です。

それでは実際に、LEDに切り替えると、どのくらいの節約効果が期待できるのでしょうか。
東芝ライテック株式会社の公式HPにある、「省エネ計算プログラム」で、シミュレーションをしてみました。
http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/keisan/led_denkyu/led_denkyu.htm#0

「一般白熱電球20W形相当」をLED照明に変更すると、LED照明1灯の購入費用は7,560円です。
これを年間365日、1日24時間点灯した場合の電気の代金を計算してみます。
すると、白熱電球は年間約4,258円なのに対してLED電球は年間約1,065円で、その差は約3,193円となります。
償却年数は約2.4年となっており、意外と早く償却することがでるのです。

この試算は1灯のみを変えた場合の計算なので、照明を20灯LED照明に変えた場合には、償却年数は変化しませんが、電気代は年間約63,861円もお得になります。

参考:
産労総合研究所「介護施設における経費削減に関する実態調査」
http://www.e-sanro.net/iryo/i_research/i_research06/pr1310/

東芝ライテック株式会社「省エネ計算プログラム」
http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/keisan/led_denkyu/led_denkyu.htm#0

まとめ

ケアハウスなどの電気代の節約は、運営コストの削減だけではなく社会貢献のひとつにもつながります。
コストをかけずにできる省エネ対策としては、電気料金プランの見直し・電力会社の見直し・日常生活における省エネの工夫・ガス会社の見直しなどが挙げられます。
コストが必要な省エネ対策としては、設備の見直しです。

メリット・デメリットを考慮して、さらに高齢の利用者が安全に快適に過ごせることを最優先にして取り組んでみてください。

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