サウナの電気代削減法。施設の節電秘策とは!?

スーパー銭湯や健康ランドなどの温泉施設には、浴室にサウナ風呂が併設されているケースが多く、利用者の人気を集めています。

温泉施設だけに留まらず、スポーツクラブや簡易ホテルなどにもサウナ室が設置されていることもあります。常に一定の温度を保っている必要があるため、電力の使用量も多くなってしまいます。

今回の記事では、電気代を節約してコスト削減する方法をサウナのタイプ別に詳しくご紹介します。 

 

サウナの今と昔

 

サウナは、北欧のフィンランドが発祥とされる蒸し風呂です。

フィンランドでは2000年以上の歴史をもち、ロウリュと呼ばれる独特のスタイルを今も継承しているのです。

その種類には、室温が80℃以上になる乾式とスチームやミストなどによる湿度が高い湿式があります。

 

伝統的なロウリュは、小屋の中に積み上げた石を白樺の薪で熱し、煙が上がってきたら木の枝などで水を打ち、蒸気を発生させる湿式といえます。

熱源は昔ながらの薪を利用するため、電源を必要としないシンプルな方法です。

理想的ではあるものの、消防法で厳しく規制されている日本において、残念ながら設置は不可能なタイプともいえますね。

 

一方で、日本では乾式のタイプが多くみられ、近年では遠赤外線を利用した最新機能を導入している施設も登場しています。

乾式は、湿度0%でありながら、室温は80℃以上の高温に保たれるタイプです。

ヒーターの設置のみとなるため、工事などの導入が簡単なことに加えて費用は比較的安いという特徴があります。

 

 

熱源装置の種類

高温を保つための熱源装置には、ガスヒーターや電気ヒーター、エアロヒーターなどの種類があります。

それぞれに特徴があり、施設のタイプに合わせて選ぶとよいでしょう。

たとえば、ロウリュを代表とする湿式の場合は、熱源装置によって熱せられた石(ストーン)に霧状の水を噴射し水蒸気を発生させる方法が現在では行われています。

湿度が70%以上と高くなることが特徴で、マイナスイオン効果が期待されるそうです。

 

ガスと電気、どっちがお得?

 

熱源装置をガスにすると、ランニングコストの削減に効果が期待されます。

即熱性が高いため、短時間で室温を最適な温度まで上昇できることもメリットのひとつです。

ただし、隣接する機械室の設置が必要となるため、導入費用やスペースの確保などを覚悟しなければなりませんね。

 

一方で電気は、設置工事が簡単でスペースを選ばず導入できるメリットがあります。

設置方法もさまざまな種類があり、壁掛けタイプや埋め込みタイプ、据え置きタイプなど、温泉施設の目的にあわせて選ぶことが可能です。

インテリア性を重視したい方におすすめの方法といえます。

 

また、ガスを主として利用していても、ヒーターの点火や水の噴射装置などに電気は必要です。コスト削減のためには、熱源装置を機能やランニングコストを比較した上で検討してみてはいかがでしょうか。

 

サウナの設置にかかる費用

 

費用のポイントとしては、熱源となるヒーターの設置や壁の断熱処理、自然素材を施した内装や換気設備などがあげられます。

また、タイプや規模に合わせた設備によって費用も大きく異なります。ここでは、サウナのタイプによって異なる設備についてご紹介いたします。

 

フィンランド式

 

電気ヒーターを設置し、高温で乾燥した空気を室内に循環させるタイプです。

ヒーター上部にはストーンが置かれており、水を吹きかけることで心地よい発汗を促します。

メンテナンスも簡単で、設置費用も比較的安価になることが特徴です。

 

ロウリュ式

電気式のヒーターにストーンと合わせて水を噴射する専用の機器を設置するタイプです。

壁隠蔽式ヒーターを設置することで、さらに効果が高まります。

ロウリュヒーターと呼ばれる専門機器と主となる熱源ヒーターの設置が必須です。

 

壁隠蔽式

壁の背後にヒーターを設置し、室内の温度を上昇させるタイプです。

洗練されたインテリア性に加えて安全性が高くなります。

しかし一方で、効率的な温度の上昇を促すための設備費用が必要となります。

 

ベンチ下収納式

ベンチの下に、熱源ヒーターを設置するタイプです。スペースの有効活用が可能で、狭い空間でも充分な機能が期待できます。

設備も最小限に抑えることができるので、コンパクトなタイプを希望の方には最適です。

 

ユニット式

組み立て式の省スペースとなるタイプです。

設置面積や予算に合わせて、サイズを変更することが可能で、備品や床材などを自由に選べることが最大の特徴といえます。

 

遠赤外線式

遠赤外線の効果を活用したタイプです。

遠赤外線ヒーターには、ガス式と電気式があり、設置場所や利用目的に合わせて選択すると良いでしょう。

ガス式は、上昇温度に達するまでが速く、省エネルギー効果が高いとされています。

一方、電気式は排煙が全くないため環境に優しいメリットが期待できます。

 

以上、費用や特徴について乾式の設備を中心にご紹介しました。

節電方法を検討する際には、それぞれのサウナのタイプに合わせた必要な設備について理解することが重要です。

次の項では、湿式の代表格ともいえるミスト式サウナについて解説します。

 

電気式のミストサウナ

 

電気式は家庭用や業務用も含めて、最適な温度に上昇するまで長くなる特徴があります。

設置工事や機器の導入コストは低いものの、稼働にかかる消費電力が高いことがデメリットです。一方で、設置が簡単でスペースやタイプに合わせて最適な機種を選べる上、クリーンな室内環境を維持できるメリットがあります。

 

天井に埋め込んだり、壁掛けで設置したりと、場所を選ばない自由度が幅広いことも電気式サウナの魅力といえるのではないでしょうか。

 

ガス式のミストサウナ

ガス式は、燃焼速度が速く、すぐに最適な温度まで上昇させることが可能となります。

導入費用や設置場所が限定されるデメリットがありますが、ランニングコストの面からは効率的な方法といえます。

家庭用でも、浴室暖房と合わせて普及が拡大しており、効率的な室温と湿度を維持することが可能です。

 

サウナ利用のピークタイムを把握する

 

電気代のコストを削減するためには、来場者が多い時間帯を把握することも重要なポイントとなります。

特に、1年を通して無休で運営している健康ランドやスーパー銭湯などでは、利用する時間帯によって稼働時間を検討することが大切です。

利用者がいない時間帯はクローズすれば、大幅なコスト削減につながるのではないでしょうか。

電力消費の増加を抑える方法として、利用客が減少する深夜から早朝にかけて、電源を落とすなどの対策が効果的といえます。

時間帯に応じた利用客の推移を数値によってデータ化することで、明確な基準を判断できますね。利用する時間帯は、施設の種類によっても大きく異なります。

たとえば、単に入浴のみを目的とする銭湯は、曜日に関わらず夕方が混み合う傾向がみられます。一方で、スーパー銭湯や健康ランドの場合は、平日より休日の方が家族連れで賑わいを見せているようです。

経営している入浴施設の形態にあわせて混雑時間を把握し、適切な節電対策をしていきましょう。

 

高圧電力会社への切り替えがコスト削減に?

 

大幅なコスト削減を効果的に実現するために、高圧電力会社に切り替える方法がおすすめです。

電力の区分は、大規模製造工場やオフィスビル、デパートなどに供給される「特別高圧」、小規模な工場や施設などに供給される「高圧」、一般家庭や小規模な事業所に供給されている「低圧」に分類されます。

 

2016年4月から、「低圧」を利用していた消費者が電力会社を自由に選べる「電力小売自由化」がスタートしました。

産業用に供給されていた「特別高圧」は2000年3月から、「高圧」2004年4月から、すでに小売自由化されていたことをご存知でしょうか。

つまり、段階的に自由化が進められてきたといえるのです。

そこで、特別高圧と含めた「高圧」と「低圧」の違いと特徴について解説します。

 

「高圧」と「低圧」の違い

高圧と低圧は、電力の契約容量に違いがあります。

低圧の契約容量は50kW以下となり、それ以上となると高圧に区分されるのです。

また、受電する方法も高圧と低圧では大きく異なります。

低圧は、電力会社から送電される電気を、トランス(柱上変圧器)で100Vと200Vに変圧して受電しています。高圧は、6600Vの高圧電力をキュービクル(高圧受電設備)で変圧します。

 

高圧の場合は、契約者がキュービクルの設置をしなければなりません。

導入費用は低圧に比べて高額ですが、電力会社の変圧を必要としないため、電気料金は割安に設定されています。

電力小売自由化以降は、大量の電力を使用する事業者はもちろん、小規模な事業者や一般家庭でも導入が拡大しているようです。

 

「高圧電力」の特徴

高圧電力は、小規模発電施設といえるキュービクルの設置と管理が必要です。

キュービクルとは、電気事業法および電気事業法施行規則によって法定点検が義務付けられている「自家用電気工作物」に含まれます。

常時稼働する発電施設として、管理者による保守点検作業が厳しく規定されているのです。

 

高圧電力の料金は、毎月同じ額で課金される「基本料金」と使用量に応じて課金される「電気量料金」で構成されています。

基本料金の算出方法は、「契約電力」×「基本料金単価」となり、過去1年間の最大のデマンド値が契約電力として設定されます。

デマンド値とは、「30分間の平均電力」を表す数値のことです。

 

つまり、毎月30分毎に使用量を計測し、その月の最大値を割り出したあと、1年間のなかで最大となるデマンド値が契約電力になります。

高圧電力は低圧と比較して料金が割安になりますが、さらに電気代を節電するためには、最大デマンド値をできる限り低く抑える工夫が求められるのです。

特に、使用量が増加する夏場に節電を意識した対策が効果的といえます。

 

高圧へ切り替える方法

 

小規模な施設の場合、低圧で契約しているケースが多いのではないでしょうか。

小規模とはいえ、昼夜を通して無休営業をしている施設の場合は、高額な電気料金を毎月支払っていると思います。

前述したように、高圧電力に契約を変更することで大幅なコスト削減が実現します。

高圧への契約の変更を検討する際には、電力会社のプランを事前に比較することがポイントです。各電力会社から提出された見積りを精査しながら、利用目的にあわせた最適なプランを見極めましょう。

契約に必要となる書類は、「高圧電気使用申込書」「配電に関する設計図」や「電気使用量の計画書」などがあげられます。

「高圧電気使用申込書」や「配電に関する設計図」は、専門知識が必須となるため、電気事業者が準備してくれるケースが一般的です。

 

「配電に関する設計図」は、契約のために電力会社と協議する重要な書類です。電気事業者の担当者に相談しながら作成すると良いでしょう。

手続きや申し込みは契約する電気事業者がサポートしてくれるので安心です。

 

コスト削減が施設の人気アップにつながる

 

銭湯をビジネスとして成り立たせるためには、コスト削減も含めた安定した運営が求められます。

利用者に、快適で清潔な空間を提供することはもちろん、ニーズに合わせたサービスも行わなければならないでしょう。

 

電力の節電対策は無駄にかかっていた電気料金を、施設のリニューアルや設備の充実に使うことが可能となります。

さらには、コスト削減による利益の拡大は、社員を始めとする従業員への報酬アップにもつながります。

経営資金に余裕ができると質のよいスタッフの教育にも投資ができますので、さらにより良い銭湯施設を作り上げることが出来ます。

 

昔ながらのスタイルを守り続ける銭湯も、趣があり一部の方に根強い人気を集めています。

しかし、娯楽に対する消費者の意識の変化により、銭湯に癒しの空間としての役割がより強く求められているのです。

最新機器の導入や洗練された建物などへのリニューアルを視野にいれ、積極的な電力のコスト削減に取り組んでみてはいかがでしょう。

 

 

まとめ

 

サウナにかかる電気料金の節約方法について、サウナのタイプ別にそれぞれ考えてみました。高圧電力への契約の見直しや、契約プランに合わせた電力会社の選択など、その方法はさまざまです。

また、休みなく稼働している設備機器は、不具合が起きた時だけではなく、定期的な掃除やメンテナンスを行うことも重要といえます。

設置しているサウナにあった電力プランや電力会社を見つけて、より良い経営を目指しましょう。

 

参考URL:
株式会社ナニワ工務店
http://www.kknaniwa.co.jp/sauna/index.html

株式会社アクアエンタープライズ|業務用サウナhttp://www.aquaenterprise.co.jp/sauna/

日本テクノエンジ株式会社
http://cubicle-hoan.jp/electric/index.html

事業者様必見!
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小西 智一

株式会社Bliss Ariseの電力事業の営業担当です。多くの事業主様により安心しておトクに電気を使って頂くため、日々奮闘しています。

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